採譜は何よりも経験がモノを言う仕事でしょう。まず理解して欲しいのは、絶対音感があっても必ずしも採譜ができるとは限らないということです。音を聞き分ける能力、音色を聞き分ける能力、奏法の理解、読み(予測)、アレンジ力を総動員するのが採譜と言う技術です。

誰でも聞き取れるようなはっきりとしたディテールの音ばかりなら何の苦労もないでしょう。例えば収録されたトラック別にそれぞれの音を聞く時、さして採譜の技術は必要ありません。誰でもできる作業と言っていいでしょう。

現実には奥まった不明瞭な音を感じ取って楽譜に仕上げるのが採譜の本来の技術だと思います。聞き取れない音をどう処理するか、それが前述の”読み(予測)”の部分になります。