ブラス・バンドのマーチ

2015年はブラス・バンドのマーチということで、ロックやポップスでないという点で2013年のビッグ・バンド・ジャズに取り組むのとほとんど変わらない気持ちです。やはり慣れないことをやっておきたい、その思いで選んだ曲です。

ただ今回は2013年のデータ作成で犯した失敗を活かしてスムーズにスタートできました。2013年と異なる点、それは移調楽器は移調楽器として表記されているという事です。2013年もアルト・サックスやテナー・サックス、トランペットなどの移調楽器があったのですが、それらはすべて実音表記されていたので、その点は全く気にすることなく入力すれば良いだけでした。

今回の2015年は「B♭管」「E♭管」「F管」「実音」の表記が混在しており、ロック出身者の頭を大いに悩ませたことだろうと思います。私も当初は「入力の仕方、分かるかな?」などと思っていたのですが、移調楽器についての解説文を読み進めると一気に知識と理解を深めることができました。これは思わぬ収穫でした。分からないまま提出して合否を待つものだと思っていたのですが、問題を解く前にその答えが書いてあったというような感じで安心できました。他ジャンルのこういった知識、、何十年も知る機会がなく、誰もしっかりと教えてくれなかったし、自分には関係ない分野だと思っていました。それがまさかMIDI検定を受けることで知ることになるとは。しかも本番前に。感謝です。

Finaleに於ける移調楽器の設定

Finaleでは移調楽器の設定も簡単にできます。これまで使った事がなかったのですが、よく見るとほぼ全ての設定が盛り込まれておりまして驚きました。

具体的には例えば、、「テナー・サックス」は「B♭管」だそうですが、同じB♭管のクラリネットとは異なり、テナー・サックスは1オクターブ高く記譜するのがルールなんだそうです。このようなルールはギターやベースにもありますね。暗黙の了解でいちいち読者には断っていませんが、オクターブ高く書かれています(低すぎると加線が増えて音符が読みにくいからでしょう)。逆に言えば実際の演奏は記譜よりもオクターブ下になる訳です。慣れていないと難しいですね。混乱します。ですがこの説明は検定の解説にしっかりと書かれていますので、私は明確に分かるようになりました。

テナー・サックスはつまりは実音よりも「14半音上」で書くことになります。
Finaleでは「(B♭)長9度上げ、シャープ2個追加、ト音記号」と表現していますが「14半音上」と全く同じ意味です。「シャープ2個追加」とは「フラット2個減らす」と同じ意味だと思っていいでしょう。例えば原キーがA♭なら「調号の♭は4つ」ですが、同じ曲の「B♭管」の調号は♭が2つ減って「調号の♭は2つ」になるのです。

ちょっと難しい話になりましたが、Finaleでその楽器に適した移調楽器の設定を行った上で見たまんま譜面の入力を行うこと、ここではそれが重要です。逆に注意点はそれだけです。設定を正しく行うとFinaleでもLogicでも勝手に正しいキーで再生してくれます。なんならすぐに実音表記にも直せます。その必要はありませんが。ただ絶対音感をお持ちの方は見た目の音符と鳴っている音が異なっていると気持ち悪いかもしれません。私は相対音感しかないのでそうはなりませんが。

※参考「MIDI検定 移調楽器 まとめ資料」

Finale 新たな発見

Finaleというソフトは自身これまで「楽譜制作ソフト」として扱ってきました。実際に日々の仕事で毎日のように利用しているわけですが、「MIDI」に関して紐解いていない部分がとても多くあると今回の練習で気が付きました。

単なる浄書作業では必要ないのですが、良く見るとMIDIデータとして反映させることのできる様々な設定が多くある。まず、テンポやスイング感の設定ですね。実はこれだけは以前から知っていましたが、発想記号を楽譜に付けておくとテンポ通りに演奏されますし、スイング感も出せます。音符だけでなく文字や記号も認識して演奏に反映させているんだな、と当時は驚いたものですが、実際にはそれ以上の機能がありました。「アクセント」を付けるとその部分が強く演奏されること、「スタッカート」を付けると短く演奏されることなどが分かりました(音符の何%の長さにするか設定可能)。他に「フォルテ」や「フォルテシモ」などの強弱記号のベロシティーをあらかじめ好きなように設定できることも分かりました。

上記はこれまではあまり気にも留めていなかったことですが、これらの設定はすべてMIDI検定でそのまま使えそうなものばかりだと気が付きました。それでもっともっと深くFinaleで譜面を作り込んでみようと思いついたのでした。因みに練習や検定で用いたのはFinale2010、かなり前のヴァージョンになりますが、もっとヴァージョンの高いFinaleはもっともっと自由に設定可能な項目が増えているかもしれません。

テストとしてマーチングのスネア・ドラムを4小節くらい並べ、「ピアニシモ」「ピアノ」「フォルテ」「フォルテシモ」などの記号を小節毎に入力してみました。それをMIDI出力してLogicで読み込むと、それぞれの小節が異なるベロシティーでデータ化されていたのです。もちろんロールの記号(トレモロ記号と同じ)も反映されていて見事なドラム・ロールに変換されていました。例えば8分音符にトレモロ記号を付けるだけでテンポに合った程好いドラム・ロールになります。

更に「Human Playback」をONにして「マーチ」を選んだ状態でMIDI出力してみると、スネア・ロールの一打一打にもそれぞれ異なるベロシティーが割り当てられており、左右のスティック・ワークや太鼓の上で跳ね返るようなスティックのニュアンスが見事にシミュレートされていました。2013年の時にも書いた「リアルさ」がこれです。生演奏のように聞こえさせるために、自分でベロシティーを調整するのはとても大変です。ドラマーのスティック・ワークがどのようなメカニズムで行われているか知らないからです。でもそんなユーザーでも生演奏に匹敵するデータを作れるアルゴリズムが既に何年も前のFinaleに用意されていたのです。私はこれを使うことに決めました。リアルさはすべてHuman Playbackで補うことにしたのです。自分がやるよりもずっと優秀で、時短になります。

余談ですが、ロールやトレモロ、トリルはテンポの速さによって決まってくるのでしょうか?そんなことは普段は考えたことがないでしょうが、譜面にはどんなテンポだろうと「ロールせよ」「トリルせよ」しか書いていないのです。何打にすればそれっぽいのか、手動なら山勘で入力してから、耳で確認しながら強弱も同時に調整することになるでしょう。1小節に30分掛ければ生っぽくなるのでしょうか。なったとしてもそれは決して効率的とは言えません。リアルさを求めて全パート全小節でそういった作業を行っていてはデータは完成できないでしょう。しかもリアルにできる保証はありません。

連打やトリルは綺麗に一定ではありませんし、強さも均等ではないですよね。その「揺らぎ」みたいなものが生っぽさな訳ですが、その数値の内訳は私には分かりません。プロのドラマーにV-Drumなんかを叩いてもらってMIDI化すればおおよその数値が分かるでしょう。トリルだろうとトレモロだろうと同じことです。その数値化する作業が既に行われておりFinaleに組み込まれていること、これに今まで気が付かなかったのです。リアルさを求められる1級試験なら尚更この機能を使わない手はないでしょう。

話を戻します。

Finaleの初期設定を見るとトリルやトレモロは「1秒間に13音符」あるいは「1秒間に12音符」に設定されていました。テンポが速くなったからと言ってトリルのスピードが上がることはありませんし、その逆も同じことですね。と今更分かりました。なるほど時間で考えるのが正解ですよね。実際これがちょうどいいです。強弱も自動的に処理されますのでHuman PlaybackをONにして出力するだけで生っぽい表現を得られます。何度も言いますがこれは使わない手はない。Finale使いなら尚更です。

更にクレシェンドやデクレシェンドも試しました。アレンジャーは松葉の始まりや終わりの位置も実に綿密に考えているんだ、と本番の解説にも書いてありました。確かに松葉の始まりの位置や終わりの位置、長さなどもその都度違います。それらを譜面の通りにFinale上に描いていきます。同時にフォルテなどの強弱記号も譜面通りに配置していきます。中には曖昧な位置に書いてあるものがあるので微調整しました。

そしてLogicに読み込んでデータを確認してみるとなんとFinaleで描いた松葉が自動挿入のエクスプレッションに置き換わっておりました。描いただけでコントローラーが挿入されるということで、断然Finaleで描く方が自分には向いていると思いました。これでまた一歩進んだ使い方を習得することに成功しました。未だにピアノロールで1から入力したことがありません。これからもしないでしょう。

譜面に指定されていない要素はネットで勉強

ブラス・バンドの場合、どの楽器がどこに配置されるのがスタンダードなのかをネットで調べて定位や音量を考えてみました。また、2015年のアレンジは「ジョン・フィリップ・スーザ風」とのことでYouTubeで本家の演奏を見て雰囲気を掴みました。尚、この年の解説は2013年のビッグ・バンド・ジャズのものよりもずっとシンプルで控えめでした。too muchに感じる部分もなく、アドバイスも理解し易いものでした。

以上、2015年は発見の多い練習曲でした。完全に要領を得た感じで1級試験の練習として初めてデータを完成させることができました。記念すべき第1号、2015年課題曲。

<2016練習曲>